急いで生きたほういい

7/2に19時女子プロレス 15で実現した「さくらえみ vs 高橋奈苗」。この一戦について、その2日前に行われた公開討論会からチェックしていたけど、UStream配信を利用したプロレスの流れや展開としてはそれなりに面白い形で結実したんじゃないでしょうか。

発端から公開討論会まで

19時女子プロレスの代表である帯広さやかがアイスリボンの札幌大会の営業のために留守している間に、「さくらえみvs高橋奈苗」のカードが決定したことが発端でした。

  1. 奈苗サイドから、自身が所有するJWP無差別級のタイトルマッチにしたいと提案。
  2. 試合に賭けられるベルトのコミッショナーであるJWP側から、19時でタイトルマッチを行うことについてクレームがくる。

といった経緯を経て、関係者同士でタイトルマッチ実施の是非を話し合うことになり、アイスリボン道場マッチの終了後に公開討論会が行われました。以下が出席した面々です。

討論会の模様についてはバトルニュースの記事が詳しいと思います。

90分近い話し合いを経て決定したのは、この試合をノンタイトルとすること。JWPの主張が通った形になりました。JWP側の主張には「コミッショナーであるデイリーの許可なくタイトルマッチを承認できない」、「無観客であることやビジネスモデルとして未成熟である」といったものも含まれています。

老舗とはいえJWPだしアイスリボンが仕掛ける面白そうなことには、手をだしておいてもいいんじゃないのと、個人的には思っていました。ただ、ライブで討論会でのボリショイさんの発言を聞いて、JWP側の話もまあもっともだなと思い直したのであります。ただ、ボリショイさんの話には、やや自分の首を絞めかねない内容も含まれていた気もします。
この決定については予想できていましたが、パネラー各氏からの話の多くは興味深いものがいくつかありました。

7月2日、そして試合は行われた

▼おんな巌流島2010 時間無制限1本勝負
高橋奈苗(パッションレッド)33分36秒 冷蔵庫爆弾→片エビ固め さくらえみアイスリボン)●

試合の詳しい経過はやはりバトルニュースで。


今回のみ特別ということで翌朝10時まで公開されていた録画で試合の模様を観たのですが、NEOの後楽園のメインあたりで行われてもおかしくないような、熱戦でございました。高橋奈苗勝利者インタビューで来場していたJWP勢に向かって「やっぱりタイトルマッチでもよかったんじゃないか」、「JWPにとっても宣伝になったはず。感謝してもらっていいくらい」といったやや強権的で往生際の悪い発言をしていましたが、このへんが奈苗さんのいいところなんでしょうね。7月18日に奈苗のもつベルトに挑戦することになっている春山と米山のアピールタイムもありました。米山香織は面白いなあ。マイペースで天然だし、何かやってくれそうな予感は春山よりよっぽどある。

帯広さやかのMCはちょっと拙すぎる。GENTAROの実況&解説はうまいを通り越してマニアックな感じすらしました。さくらと奈苗が場外乱闘で実況席にやってきたとき「倉持さんの気持ちがわかる!」とか言ってみたり、「火の玉ボム」、「ブルーサンダー」みたいな技名がしれっと出てくる。神実況コンビを脅かしかねないツボを抑えた実況でした。「カウントにーてんきゅきゅきゅきゅきゅっ!」
番組としては、さくらえみへのインタビューの後、帯広さやか代表による19時女子プロレスの暑苦しいアピールを経て終わり。十分楽しめました。
こっそりダウンロードを試みたところ、FireFoxプラグインでflvがダウンロードできてしまいました。

感想

公開討論会ででてきたちょっと気になった話。
JWP側から提起された「19時はビジネスモデルとしてどうなのよ」という話題に対し、ライター側から「イベンターはプロレスをコンテンツとして、あまり良く思っていない」といった発言。ライターの新井氏か伊藤氏のどちらか忘れてしまいましたが。今年の3月にKOEIプレゼンツで行われた戦国武将祭というイベントがありました。イベントにはプロレスの試合も含まれていたのですが、「プロレスの試合が行われる」という発表があってから、チケットの売れ行きが落ちたのだそうです。イベンターにプロレス関連の話を提案すると、プロレスというだけで無視に近い態度をとられるの現状である、と。以降、しかし19時女子プロレスに対して食指を動かす関係者は多い……といった話が続くのですが、ボリショイさんが気の毒になってくる話題ではありました。
この一連の流れはJWPにとって宣伝になったことは疑いようがないですが、それを活かすか殺すかはやはりJWP次第。ただ、どちらかというと分が悪い気はしますね。ボリショイが春山・米山に向かって「この二人ならこれ以上の試合をしてくれます」と言っていたけど、どうだか。現実的には難しいように思えます。NEO解散の理由のひとつは新人を思うように育てられなかったことですが、JWPだって似たような状況にみえるし。

JWP認定無差別級王座への挑戦者は米山香織(追記)

今日の東京キネマ倶楽部大会の結果、7月18日のJWP後楽園ホール大会で高橋奈苗のタイトルに挑戦するのが米山香織に決まったようです。

このベルトは現在の高橋奈苗が第14代となっていて、Wikipediaにある歴代の記録を数えたところ、平均防衛回数は3回、保持した期間の平均はだいたい15ヶ月です。高橋が戴冠したのは2010年4月18日で、今のところの防衛回数は1回。実力的に考えると長期政権になりそうだし、米山香織の実力的に考えてもちょっと厳しい気もする。でも、JWPの3人のなかじゃ米山が一番おもしろそうだし、勝ってほしいですね。よねっち頑張れ。