9.27 佐野直自主興行「スタンリー1」

今月27日(月)に新木場1stRingで行われる佐野直自主興行「スタンリー1」。観にいくかもしれないので調べてみた。

前売りは全席自由で3,500円でございます。当日500円増し。そういえば選手個人の自主興行ってここ数年よく見かけるようになったけど、実際に足を運んで観戦するのは初めてかもしれない。葛西純プロデュース興行は、自主興行というよりアパッチもしくはフリーダムスが実体だ。
この大会についていろいろ調べていたら一昨年、新木場で起きた練習中の死亡事故の続報がでていた。

死亡事故でプロレス団体代表らを書類送検

東京都江東区で2008年10月、プロレス団体所属の会社員由利大輔さん(当時25)が練習中に掛けられた技で頭を打ち死亡した事故で、警視庁東京湾岸署は27日、危険な技を掛けたなどとして過失致死の疑いで、団体の元代表でプロレスラーだった無職の男(31)ら3人を書類送検した。
同署は「練習不足で素人レベルの選手が危険な技を掛けたのが原因と判断した」として、スポーツ練習中に起こった事故について異例の立件に踏み切った。
ほかに書類送検されたのは、当時団体に所属し、一緒に技を掛けた会社員(36)と、練習を取り仕切っていた別の団体のスタッフだったプロレスラー(31)。
東京湾岸署によると、由利さんは08年10月18日未明、江東区新木場の格闘技ホールのリングで、元代表に肩車された状態で、ロープ上から飛び降りた会社員から、腕を首に当てて倒される「ダブルインパクト」という大技を掛けられ、頭から落ちて首の骨を折り、同月24日に死亡した。
技を掛けた2人の送検容疑は、技術が未熟なのにもかかわらず危険な技を掛け、由利さんを死亡させた疑い。練習の責任者だったレスラーは安全管理を怠った疑い。
同署によると、3人は「危険だと認識していたが、安易に考えてしまった」などと容疑を認めている。団体に所属していたのは、技を掛けた2人と由利さんの計3人だけで、この技の練習は初めてだった。
[2010年8月27日12時46分]

死亡事故でプロレス団体代表らを書類送検 - 格闘技ニュース : nikkansports.com

書類送検された3人というのは、菅原伊織佐野直、それと死亡した方のご友人。しかし、書類送検までにずいぶん時間がかかるもんだなあ。風化してほしくないと思っていたし、ときどき続報がないか調べてはいた。この手の事故を選手の側が風化させたり忘れさせようとするなら、それはとても残念だ。実際のところ、直接的に関わった菅原・佐野以外のプロレスラーは、この事件についてまったく語っていなかったはず。
佐野がやってる歌舞伎町のスタンリークラブには一度だけ行ったことがある。カウンターにいつも誰かしら選手もしくは関係者がいるってのは面白い。けっこう楽しめた。別にボッタクリってわけではないです。ただ、この店のカウンターに立つ選手が事件についてどう考えているかは分からないけど、スタンリークラブのゲストとして店に協力することで、佐野直をそれなりに肯定していることになると思うと、複雑な心境になる。
それを残念なことだと思いたくないから、事件の事実関係を裁判でもなんでもいいけど、明らかにしてほしい。早く。

【格闘技裏通信】会社員レスラー死亡事故のその後 (2010.8.31)

2年前の会社員レスラー死亡事故を覚えているだろうか。これを最初に報じたのが本欄だったが、長い時間を経てようやく責任者が書類送検された。
一昨年10月、都内の格闘技会場でプロレスの練習をしていた会社員、由利大輔さん(当時25)が、先輩選手から掛けられた技で頭を打って死亡。肩車された状態からラリアットを受けて落下するダブルインパクトなる技を見よう見まねでやったところで起きた悲劇だった。
由利さんはほとんど練習経験がなかったが、すでに数回の試合出場をさせるなど、団体側の選手管理はずさんだった。
「由利さんが上がっていた団体は、チケットを数枚売れるのなら誰でも試合に出してくれる感じだった」と証言する元選手もいる。
遺族の1人によれば、「大輔は生前、先輩選手に『後輩は先輩に技をかけちゃいけない決まりがあるといわれ、技の実験台になってばかり』と愚痴を漏らしていた」という。
昨年2月、遺族は練習の責任者として佐野直、技をかけた菅原伊織、笠原寧の先輩選手3人を業務上過失致死の疑いで刑事告訴東京湾岸署がこれを受理し、捜査を続けていた。
ただ、責任の度合いなど捜査側にも頭を悩ます部分があるようで、進展が見えない状況が長く続いた。不満を募らせた遺族が担当刑事に、「なぜこんなに時間がかかるのか」と抗議したこともあった。
「ある刑事には『やることはやっている。文句があるなら警察を訴えればいい』などと言い返されたこともあって、警察の方が怖く見えたこともありました」(遺族)
また、遺族を苦しめたのはこれだけではない。事故現場にいた選手たちは笠原1人を除いて音沙汰なし。事故状況の説明や、責任者からの謝罪もないまま現在に至っている。
「ほかにも、息子の追悼興行が行われるというので足を運んでみたら、主催者が断りもなく佐野をリング上に呼んで『遺族が許さなくても俺は許す!』なんて叫ぶパフォーマンスをしたんです。死亡事故をショーに利用された感じでガッカリしました」(遺族)
身内の死に加え、プロレス関係者の非常識な対応、さらに警察への不信感もあり、精神的に疲弊した遺族の1人は入退院を繰り返し、数カ月前まで外出もできない状態が続いていた。
「裁判になったら、また大変なエネルギーがいりますから『天国にいる大輔、どうか力を貸して!』という気持ちです」と遺族。
プロとは名ばかりで、素人同然の自称プロレスラーが無数に存在する中で、この悲劇を司法はどう判断するのだろうか。
(ジャーナリスト 片岡亮

http://www.zakzak.co.jp/sports/etc_sports/news/20100831/spo1008311512002-n2.htm