虐殺器官(伊藤計劃)

読書

いわずとしれた話題作。いまさらって感じですけど、文庫化後に買ってつみっぱなしにしていたのを最近読み終えました。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。

文句なく面白いです。SF作品として。言語によって云々する展開は、川又千秋の幻詩狩りが近いといえば近い気がします。軍事モノやポリティカル小説として読んでもいいと思いますが、軍事用語として登場する単語の多くが創作であることに要注意。子供たちはそれらを知識として披露することがないように。
CEEP(Child Enemy Encount Possibility、少年兵遭遇可能性)でしたっけ？元ネタは皆川亮二のARMSです、確か。ときメモを元ネタにした箇所があるそうなんですが、どれのことだかわかりませんでした。
オススメできる一作。伊藤計劃の長編作品が多くないことがとっても残念です。