自主興行の悪いところを垣間見たスタンリー4

先日、このブログで「意外といいカードを揃えた」と書いたが、正確にはいいメンツが揃ったなあということだ。選手の善し悪しと試合や興行の出来は関係がない。そんな状況を何度も観て分かっているつもりだったが、ちょっと期待しすぎちゃった感のある佐野直自主興行・スタンリー4の感想です。
前説はみていないけど、メインに登場する佐野と矢野啓太にばってん多摩川が絡んだようだ。

第1試合 的屋の井上さん vs タコ乳頭"

2分2R、打撃なしで行われたグラップリングマッチ。試合順は忘れたが、スタンリー1でも的屋の井上さんによるグラップリングルールの試合があった。マッチメーカーはこの試合形式と井上さんにこだわりがあるのかもしれないが、よかったところはどうあってもトータル4分で終わってくれたことだ。
退屈極まりない最低の試合。

澤宗紀&竹嶋健史 vs 見た目が邦彦&吉田充宏 vs ドン・たけむらこういち&有山いいとも!withMr.yb vs ジ・ウインガー&ZIPANGU vs 桂ヤスヒロJr.&ピンクタイガー総帥

5WAYタッグマッチ。最後に入場した見た目が邦彦が客席で延々歌っている間に、相方が破れ試合終了。がその後に選手と主催者側でのなにやら一悶着を経て、観客への説明もなく再試合が始まった。ウィンガーとZIPANGUの集中攻撃を受けたピンクタイガー総帥が破れ、ウィンガー組の勝ち。
試合開始前、リングアナからコーナーが4つしかないので2チームにはコーナーをシェアしてもらうと説明があったが、場外乱闘や各選手入り乱れる展開が多く、意味のない前フリだった。
普通の試合。

藤田ミノル&忍&翔太 vs 吉田和則&THE101&ばってん多魔川

THE101(ざとういち)を始めてみたが、なかなか面白い選手ではないかなと。盲目のアングルであるためか、ロープに振られてもロープワークできずに転んでしまう。吉田和則はロープやコーナーにひょいひょい登る器用な選手だ。
普通の試合。

千葉智紹 vs 三州ツバ吉

因縁深いこの二人。スタンリー1でもやっていたが、これって元々は別のリングで繰り広げられているアングルなんだよね。だから観客への説明不足がある。分かる人が分かればいいのかもしれないけど、それなら自主興行に足を運びたいとは思わない。完全決着戦を謳っていたがなぜか両リン引き分け。ちなみに20分一本勝負でもあった。
つまらない試合。

GENTARO vs 華名

GENTARO保有するVKFタイトルに華名が挑戦。カードを見たときに一般訴求度が一番あるカードだと思っていた。GENTAROオールドスクールというかトラディショナルなレスリングスタイルに、華名がUWFで挑むという構図だと思っていたし実際にそうだったけど、思いのほか華名がGENTARO寄りのレスリングを展開していた、気がする。そのせいか試合が始まって数分で、少なくとも華名が勝つイメージができなくなった。GENTAROが抑え込みで3カウント奪取し、王座防衛に成功。
普通の試合。

ザ・グレート・サスケ vs 長瀬館長

自律神経失調症でも患ってそうな長瀬館長に、少なからず似た面を持つサスケが対峙する。葛西純がイチガイなのにあれだけ盛り上げられるのは、対戦相手・試合・客をコントロールできるからであって、その点でこの試合はコントローラが不在であった。やや盛り上がりに欠いたままサスケが四の字固めのような技で長瀬館長を下す。
つまらない試合。

佐野直 vs 矢野啓太

佐野が所有するリッキー・フジ認定ベルトと矢野のワラビーTVタイトルが賭けられたダブルタイトルマッチ。試合開始後まもなく佐野がシャープシューターを決め、即座にゴングが鳴らされ佐野のテーマが流れる。レフェリー逃走。要するにモントリオール事件の再現らしい。佐野が「伝わらなかったみたいだな」とか言いながら再試合。伝わらないのは面白さだ。モントリオールだというのはわかったよ。そもそも、菊タローアントーニオ本多がだいぶ前に同じことやっていたけど、練りこみの錬度が低すぎる。その後も似たような寸劇を経て最後は矢野が勝利。統一王者となる。試合後に、大阪プロレスタダスケが乱入・襲撃しベルトを持ち去った。タダスケというらしいことは帰りにTwitter見て知った。何も言わずにリングに飛び込んできて去ったわけだから、その場では何も分からなかったよ。最後はなぜかサスケがやってきて締めの挨拶。みちのくプロレスのテーマが流された。
つまらない試合。

感想

前回観たスタンリー1に続いて観るハメになった井上さんのグラップリングマッチ、長瀬館長、佐野の寸劇。会場の反応からはそんなにウケているようには見えなかったし、俺にはぜんぜんウケなかった。それでもそのカードを組み入れるというのは、世話になった関係者への義理だろうか。義理で試合を組むなとは言わないが、目に見えてつまらないならやめてくれないかな。全7試合、出場者数は26人もいるんだし、もっと絞ればいい興行にできそうな気がする。二回観て思ったことは、どインディの選手がどインディの選手としか絡んでいないってこと。手の合う選手同士での試合なら一定の品質を保てるかもしれないが、別に俺はどインディーのファンではないから、同じつまらないものを見せるなら何らかの化学変化を期待できるカードのほうがマシだ。
ここ数年でやたらと増えた選手個人による自主興行の、悪いところを垣間見る機会になったと思う。